北海道で鹿が関係する交通事故は、令和7年に6,705件。
そのうち約4割が、10月と11月に集まっている。
この記事では、多い時期と時間、ぶつかる前にできること、ぶつかった後にやることを、北海道警察と北海道庁などの公式の資料から並べる。
あれコレさんシカって、山奥の道でたまに出るくらいでしょ〜❓
アレルさん北海道だと、そうでもない。鹿が関係する事故は令和7年に道内で6,705件。しかも10月と11月に、1年の4割が集まっている。
あれコレさんえっ、今の時期じゃん!😳
アレルさんそうだ。多い時間と場所、ぶつかる前にできること、ぶつかった後の連絡先を書くぞ。
- 10月と11月に、1年の事故の約4割が集まる
- 多いのは16時から24時。日没の前後は特に気をつける
- 1頭見たら次が来る。急ハンドルで避けず、まっすぐブレーキで落とす
- ぶつかったら、停めて三角表示板、車線に立たない、110番、道に残ったら#9910
- 保険証券は、ぶつかる前に開いておく
10月と11月に、1年の4割
北海道警察(釧路方面本部)の資料によると、鹿が関係する交通事故は、令和7年中に北海道で6,705件。前の年より1,245件多く、「9年連続で最多記録を更新」した(鹿を避けようとして起きた事故も含む)。
同じ資料の月別では、10月が1,531件、11月が1,206件。この2か月が飛び抜けている。

北海道庁も、「年間発生件数の約41%が10月から11月にかけて発生して」いるとしている。10〜11月はエゾシカの繁殖期で動きが活発になり、越冬地へ移る時期にも重なるからだ(北海道庁)。
多いのは、日没前後から夜
北海道庁は、時間帯について「70%以上が16時から24時の間に発生しています」と書いている。エゾシカの活動のピークは「日出と日没前後」としている。
11月は日が短い。仕事や買い物の帰り道が、ちょうどこの時間に入る。
清虎丸夕方の散歩の帰り道と、同じ時間だワン❓🐾
山奥だけの話ではない
同じ道警の資料には、令和7年に鹿の事故が多かった市町村が並んでいる。1位は苫小牧市(448件)、2位は釧路市(265件)、3位は千歳市(241件)。北広島市(126件)も入っている。
人が多い町のまわりでも起きている。「この道は町の中だから大丈夫」とは読めない数字だ。
自分がよく走る道に多い所があるかは、北海道開発局の「エゾシカ衝突事故マップ」(全道版)で見られる。
ぶつかる前にできること
道警と道庁が挙げていることを、まとめるとこうなる。
1. 夕方と、秋〜初冬は特に気をつける
道庁は「早朝・夕方の運転に気をつける」「秋~初冬の運転に気をつける」を挙げている。
2. 目が光ったら鹿かもしれない
夜にライトが当たると、鹿の目が光る。道警はハイビームを使って早く見つけよう、としている。対向車や前の車がいる時は、ロービームに戻す。
3. 1頭だけと思わない
鹿は群れで動く。道警は「1頭目が通り過ぎても2頭目、3頭目が飛び出して来るかも」と書いている。1頭見たら、止まれる速さまで落とす(ここは、この記事の読み)。
4. 車が来ても逃げないことがある
道警は「鹿は車を見てるのに飛び出してきます」、道庁は「車が近づいても逃げないことがある」としている。クラクションで逃げる、と当てにしない。
5. 横から出てくる
道警の資料では、鹿の左右からの飛び出しが89.9%。前だけでなく、道の両脇の草むらや林の切れ目を見る。
清虎丸横からビュンって来るのかワン💦 前ばっかり見てちゃダメなんだワン🐾
あれコレさん1頭やり過ごしたら安心、じゃないんだね…💦
アレルさんそこが一番危ない。次が来る前提で速度を落とせ。
急ハンドルで避けない
道警の資料には、令和7年に鹿が関係した人身事故が全道で7件あったと載っている。その中で中身が載っている釧路方面の4件には、次のものがある。
- 急ハンドルを切ってガードレールに衝突
- 鹿とぶつかって停まっていた車に、後ろの車が追突
- 鹿に気づいて減速した車に、後ろの車が追突
- ぶつかった鹿が対向車線に飛ばされ、対向車に衝突
ここから言えるのは、急ハンドルで避けると鹿ではない物に当たることがある、止まった後や減速した時に後ろから当てられることがある、ということだ。
道警の資料の絵にも「急ハンドルによる回避は危険!」とある。だから、
- 急ハンドルを切らない。ハンドルはそのまま、ブレーキで速度を落とす
- 後ろに車がいる時ほど、早めに落とす
- 夜の道は車間を空けて走る(前の車が鹿で急に止まることがある)
後ろの2つは、この記事の読みだ。
鹿笛は「付けたから大丈夫」ではない
車に付ける鹿笛は、効き目がはっきりしていない。アメリカのジョージア大学の研究(2009年・野生動物の学術誌)では、車に付けた音の装置で1・8・15・28kHzの音を流しても、鹿の動きは音なしの時と変わらなかった。
ただし、これは北米のオジロジカでの実験で、エゾシカで同じかは分からない。市販の鹿笛と同じ音かも分からない。
付けるのは止めない。ただ、付けた分だけ速度を上げていい物ではない。
ぶつかった後にやること

1. 安全な所に停める
北海道庁の事故の時の案内は、「車両等を安全な場所に移動させ、エンジンを切ってください」「三角表示板を使い、周囲に交通事故の発生を知らせてください」としている。
三角表示板をまだ積んでいない車は、ここからそろえる。高速道路で停まった時は、出しておく決まりもある(道路交通法第75条の11)。選ぶなら、国の型式認定(TSマーク)を受けた物だ。
三角表示板と一緒に、発炎筒も。車に付いている発炎筒には有効期限があるので、一度見ておく。期限の無いLEDの非常信号灯に替える手もある。下のは、国土交通省の保安基準に合うとメーカーが書いている物で、電池(単4形2本)は別売り。
2. 車線に立たない
上の追突の例がある。高速道路の案内(NEXCO東日本)は、「車内で待つのは大変危険です」とし、「ガードレールの外など安全な場所にすみやかに避難してください」としている。
一般道でも同じ考え方で、車の前後や車線に立たない。一般道はガードレールが無い所もあるので、道の外の安全な所へ移る。
秋から冬の夜、道の外で警察や救援を待つと冷える。車に1枚積んでおく。
3. 110番
北海道庁の同じ案内は、警察(110番)に事故の場所や負傷の状況を通報し、指示に従うよう書いている。けが人がいれば、消防(119番)にも通報する。国土交通省も、事故の情報は警察(110番)へ、としている。
4. 道に鹿が残っていたら#9910
国土交通省の「道路緊急ダイヤル(#9910)」は、道路の穴ぼこや「落下物や路面の汚れなど道路の異状」を、24時間・無料で受け付けている。ぶつかった鹿が道に残って通る車の妨げになっているなら、ここに知らせる手がある。
知らせる時は、道路名・進行方向・近くの施設などを伝える。ただし「都道府県等が管理する道路については、夜間・土・日・祝日は早急に対応出来ない場合もあります」。
自分で路肩へ動かすなら、後ろから車が来ないのを確かめてから。素手では触らず、手袋をする。まだ生きている鹿には近づかない。
5. 保険会社に連絡する
修理に保険を使うかは、次の段で書く。
保険は、ぶつかる前に証券を見る
鹿は相手のいない事故になる。修理を車両保険で出せるかは、自分の契約の中身で変わる。
だから、今のうちに保険証券を開いて、車両保険が付いているか、その型と、動物との衝突が入るかを見ておく。分からなければ保険会社に聞く。
ハイラックスの任意保険の実費は、維持費の記事に書いた。

バイクは、もっと危ない
四輪なら板金で済むことも、バイクだと体で受ける。10〜11月の夕方から夜に乗るなら、上に書いたことを四輪よりも早めにやる(この記事の読み)。
あれコレさん10月と11月の夕方、1頭見たら次が来る、避けるより、まっすぐ止まる。ぶつかったら、停めて、110番、道に残ったら#9910、だね〜
アレルさんそうだ。あと1つ。保険証券は、ぶつかる前に開いておけ。
清虎丸保険証券、帰ったら一緒に見るワン🐕
出典
- 北海道警察 釧路方面本部 交通課「鹿が関係する交通事故は、9年連続で最多記録を更新!」(令和8年3月4日・PDF)
- 北海道 環境生活部 自然環境局「エゾシカが関係する交通事故」
- 北海道 環境生活部 くらし安全局 地域安全課「交通事故等の対応 ドライブ北海道~交通安全の基礎知識~」
- 国土交通省「道路緊急ダイヤル(#9910)」
- 国土交通省 北海道開発局「エゾシカ衝突事故マップ」
- NEXCO東日本「事故・故障時の対応」
- Valitzski ほか(2009)「Deer Responses to Sounds From a Vehicle-Mounted Sound-Production System」Journal of Wildlife Management