パートタイム4WDは冬いつ4Hに入れる?|ハイラックスの取説とJAFの実験で確かめた

ハイラックスの4WDの切り替えダイヤル(H2・H4・L4)の絵

パートタイム4WDは、雪が降ったら4Hに入れっぱなし、ではない。
乾いた道で4Hのままだと、駆動系を傷めることがある。そして、4WDでも止まる距離は縮まらない。
ハイラックスの取扱説明書とJAFの実験で、冬道の2Hと4Hの使い分けを確かめた。

パートタイム4WDの使い分けの図解。ハイラックスの取扱説明書の要約(ふだんは2H・すべりやすい道は4H・脱出は4L)と、JAFの実験(平らな圧雪路は2WD・4WDとも20〜22m、9%の下り坂は2WD約29〜33m・4WD約35〜40m)。
あれコレさん

雪が降ったら4WDに入れて、春までそのままでいいんでしょ❓

アレルさん

パートタイムの4WDだと、それをやると壊すことがあるんだ。

あれコレさん

え。4WDって強い方がずっといいんじゃないの?

アレルさん

進む力は強い。でも、止まる力は変わらない。今日はその2つの話。

清虎丸

止まる力は変わらないって、ちょっと怖いワン❓🐾

先に答え
  • ふだんはH2
  • 凍っていそうな所の手前でH4
  • 乾いた道に出たらH2に戻す
  • 4WDでも、止まる距離は縮まらない
目次

そもそもパートタイム4WDって何

ハイラックス(GUN125)はパートタイム4WD。ダイヤル(トランスファースイッチ)で3つを切り替える。

ダイヤルは3つ。H2=2輪で走る・ふだんはここ(乾いた舗装路・高速道路)。H4=4輪で走る(雪・氷・砂地などすべりやすい道)。L4=4輪+低いギア(深い雪・ぬかるみ・急な下り坂、入れる・戻すは止まってNで)。
  • H2=2輪で走る(取説「市街地や高速道路などの乾燥した舗装路面を一般走行する場合に使用します。通常はこの位置で使用します。」)
  • H4=4輪で走る(取説「悪路・氷雪路・砂地など、すべりやすい路面を走行する場合に使用します。」)
  • L4=4輪で、低いギアで走る(取説「悪路・砂地・ぬかるみ・深雪路などで特に大きな駆動力を必要とするときなどや急な降坂路を走行するときに使用します。」)

切り替えスイッチが無く、車が自分で4輪に配る4WDもある。この記事はスイッチで切り替える車の話。自分の車がどちらかは取説で確かめる。

乾いた道で4Hのままがダメな理由

取説の「警告」にこうある。

「乾燥した舗装路面および高速道路では、必ずH2で走行してください。H4またはL4で走行すると駆動系部品に悪影響を与え、駆動系のオイルもれや焼き付きなどにより、思わぬ事故につながることがあります。また、タイヤの早期摩耗や燃料消費量の悪化につながることがあります。」

もう1つ。「H4またはL4での急旋回は避けてください。」急に曲がると「タイトコーナーブレーキング現象(ブレーキをかけた状態と同じような現象)」が起きる。前と後ろのタイヤの回る量の差のため、と取説は書いている。

燃費の記事に書いた「曲がる時など、ハンドルにあきらかな違和感」は、たぶんこれ(私の見立て)。

アレルさん

実は、H4のまま乾いた道を走ってしまったことがある。ハイラックスは、滑る道でないと4WDにしてはいけない作りだ。

だから、雪の日でも、除雪されて乾いたアスファルトが出ている道はH2に戻す。冬の道は「凍った所」と「乾いた所」が交互に来る。ただし、黒く濡れて見える所はブラックアイスバーンかもしれない(下のJAFの数字を見てほしい)。

いつ4Hに入れる・いつ戻す

取説の手順はこう。

冬の道は、こう切り替える。乾いた道・高速道路はH2。凍っていそうな所の手前で、まっすぐ走りながら100km/h以下でH4。乾いたアスファルトが出たらH2。深い雪・急な下り坂の時だけ、H4から平らな所で止まってNでL4(戻す時も止まってN→H4・VSCが切れるのでゆっくり)。滑り出してから切り替えない。
取説の手順
  • H2→H4は走りながらでいい。ただし車速100km/h以下(100km/h以上だと切り替わらない)
  • 4WDの表示灯が点灯したら完了(点滅したままの時は、まっすぐ走りながら加速・減速・後退のどれかをする)
  • H4→H2も走りながらでいい
  • L4に入れる時と戻す時は「車両を完全に停止させる」「シフトレバーをNにする」。L4に入れる時は、スイッチを押しながら回す。L4の表示灯が点滅している間はNのまま・アクセルは踏まない(取説「ギヤ鳴りが発生し故障の原因になります」)
  • 取説「L4へ切りかえるとVSCが自動的にOFFになります。」=横滑りを抑える仕組みが切れる。L4では速度を落とす

深い雪でL4を使うような所は、埋まることもある。家の車には、折りたたみのスコップのほかに、三角停止板・牽引ロープ・レスキューハンマー・毛布も積んでいる。スタックラダーは積んでいなくて、先日、無くて困った。

埋まった時の順番(JAF)
  1. ハザードランプを点け、三角表示板を後ろに置く
  2. タイヤのまわりの雪をスコップで取り除く
  3. 脱出プレート(スタックラダー)をタイヤの下に差し込む
  4. まわりの車にけん引を頼む(車の重さに合う専用のロープ)
  5. それでもだめならロードサービスを呼ぶ

順番はJAFの「雪道でスタックした場合、自力で動かす方法とは?」のとおり。積んでいる物を、使う順に並べておく。

①三角停止板

後ろの車に知らせるのが先。高速道路で停まった時は、出しておく決まりがある。

国家公安委員会の認定品(TSマーク)。高速道路で出す決まりの物は、認定の印がある物を選ぶ。

②スコップ

タイヤの前と後ろの雪をかき出して、タイヤが路面に付くようにする。

折りたたんでバッグに入る。荷台に積みっぱなしにできる。

③スタックラダー

掘っても空回りする時は、タイヤの下に差し込んでから、ゆっくり動かす。私は先日これが無くて困った。買うなら長い方がいいと思う。

長さ約107cm・耐荷重10トン・2枚組。重いハイラックスでも余裕がある長い方。

④牽引ロープ

JAFは「通常のロープでは切れてしまうおそれがある」と書く。車の重さに合う専用のロープを積んでおく。引いてもらう時は、両方の車の取扱説明書を確かめてから。

私のはAthvchtの同じ形(5m・最大9トン)だが、今は売り切れ。付属のフックは1つ2トンまでと商品の頁にある=重い車はU字シャックルで掛ける。

待つ間:エンジンを切って、毛布

危ないのは寒さより排気ガス。JAFの実験では、マフラーまで雪に埋まった車でエンジンをかけたままにすると、16分で車内の一酸化炭素が400ppm、22分で1,000ppmに上がった。窓を5cm開けても約40分で400ppm(JAF「雪で埋まった場合の一酸化炭素中毒の危険性とは?」)。

だから待つ時はエンジンを切り、毛布や防寒着で体を温める(JAF)。暖房を使うなら、先にマフラーのまわりの雪をどける。家の車の毛布は、ニトリの普通の毛布。特別な物でなくていい、積んであることが大事。積みっぱなしにするなら、小さく畳める防災毛布もいい。暖かいと思う。

日本防炎協会の認定品。アルミの真空パックで小さくなる=積みっぱなしにできる。

最後の出口:レスキューハンマー

ドアが開かない時に、窓を割って出るための物。割れるのは横の窓などの強化ガラスで、フロントガラス(合わせガラス)は割れない。車によっては横の窓も合わせガラスなので、自分の車の窓を確かめておく。

シートベルトカッター付き。商品の頁にも「合わせガラスには使えません」とある。運転席から手が届く所に置く。

大事な警告:滑り出してからでは遅い

「タイヤがスリップしているときは、絶対にトランスファースイッチをH2からH4へ切りかえないでください。」取説はこう続く。「タイヤのスリップや空転が止まってから、トランスファースイッチを操作してください。」

凍っていそうな所の手前、まっすぐ走っている時に入れておく。滑ってしまったら、空転が止まってから切り替える。(「手前で」は私のまとめ。取説が言うのは「スリップ中に切り替えない」まで)

冬ならではの一文もある。「外気温が低いときは、トランスファーモードの切りかえができないことがあります。その場合は速度をさらに低くするか、車両を停止させてから切りかえてください。」

「凍っていそうな所」はどこか

JAFは、風が吹きさらしで凍りやすい橋の上・トンネルの出入り口・道路の日陰を挙げている。街の中では、発進と停止をくり返す交差点の停止線の手前が磨かれて滑りやすい、とも(JAF ブラックアイスバーンのテスト)。

凍っていると思って手前でH4にする場所。橋の上・トンネルの出入り口・道路の日陰・交差点の停止線の手前(場所はJAF・手前でH4は筆者のまとめ)。

燃費の記事で4WDに入れていたのも「氷路面や橋の上」。JAFの言う場所と重なる。取説はH4の路面に「氷雪路」を挙げ、燃費の記事は「氷路面や橋の上以外は、ほぼFRでの2WD」。

アレルさん

ハイラックスの頃は、雪や凍結を見て、その都度切り替えていた。説明書に、滑る道でないと4WDにするなとあるからだ。

4WDでも、止まる距離は縮まらない

JAFが2018年2月に、雪の試験場で2WD(前輪駆動)2台と4WD2台を比べた。タイヤは全部新品のスタッドレス。

時速40kmから急ブレーキした時の止まるまでの距離(JAF)。平らな圧雪路は2WD・4WDとも20〜22mでほぼ同じ。9%の下り坂は2WD 29〜33m、4WD 35〜40mで4WDの方が長い。濡れた路面11.0mに対しブラックアイスバーン69.5m。

上り坂

  • 勾配9%=4台とも上りきれた
  • 勾配20%=4WDの2台は上りきれた。2WDの2台は途中でスリップして上りきれなかった

ブレーキ(時速40kmから・ABS作動)

  • 平らな圧雪路=どれも20m〜22m=大きな差は無かった
  • 勾配9%の下り坂=2WDは約29m〜33m、4WDは約35m〜40m=4WDの方が長かった
  • 一番重い車(ランドクルーザープラド)は、下り坂で平らな所の約2倍

JAFのまとめは「4WDの車であっても制動距離が短くなることはありません。」「特に車両重量が重くなるぶん、下り坂で制動距離が長くなることがあります。」(JAFユーザーテスト)

ハイラックスも重い車だ。「坂を上れた」あとの下りが一番怖い(私の見立て)。

燃費の記事の「ブラックアイスバーンでも走行中はびっくりするほどの安定感」は、「走っている時」の話。止まる距離は別。JAFの別のテストでは、時速40kmからのブレーキで、濡れた路面が11.0m、ブラックアイスバーンが69.5m。見た目はほとんど差が無かった(JAFユーザーテスト・2013年1月)。

清虎丸

ビクゥッ!? 見た目は同じ黒い路面なのに、6倍以上も止まれないのかワン💦

冬が終わっても忘れないこと

取説の「知識」にこうある。「前輪駆動部品のオイルを循環させるため、月に少なくとも16km程度は4WD走行を行ってください。」

雪の無い季節も、月に16kmほどは4WDで走る。取説はどの路面でとは書いていない。乾いた舗装路はH2が原則なので、砂利道などの舗装されていない道を、まっすぐ・急に曲がらずに走るのが無難(私の見立て)。近くに無ければ、点検の時に販売店で聞くのが確か。

アレルさん

この決まりは、ハイラックスに乗っていた頃は知らなかった。

切り替えの早見(私のまとめ)

冬の切り替え早見
  1. ふだん・乾いた道・高速道路=H2
  2. 雪や氷の道に入る手前、まっすぐ走っている時に=H4(100km/h以下・表示灯の点灯を見る)
  3. 乾いたアスファルトが出たら=H2に戻す
  4. 深い雪・急な下り=下りに入る前の平らな所で止まって、NでL4(L4では横滑り防止のVSCが自動で切れる=速度を落として)
  5. 滑り出してから切り替えない(滑ったら、空転が止まってから)
  6. 4WDでも車間は夏より長く

上はハイラックス(GUN125・2022年10月〜2023年8月生産の版)の取説とJAFの説明を並べた物。年式で違うことがあるので、自分の車の取説を見てほしい。

冬のハイラックスの話は、ほかの記事にも

冬の燃費と、4WDの使い方の実感は、実燃費の記事に。

タイヤ交換のやり方とLTタイヤの空気圧は、タイヤ交換の記事に。

冬の塩カルと下回りのサビは、洗車の記事に。

あれコレさん

凍ってそうな所の手前で4H、乾いた路面が出たら2H、だね〜

アレルさん

そう。それと、4WDでも止まる距離は縮まらない。車間は夏より長く取る。

清虎丸

乾いた道に出たら2Hに戻す、も忘れちゃダメだワン🐕

出典

記事にしなかった作業の途中や、次に何を直しているかは、こちらで出しています。

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この記事を書いた人

ブログを通じて情報を発信し、少しでも参考になったり良かったな、と思える方が増えればいいな、と考えています。
まやかしや一時凌ぎを続けることから離れて、実体験を通じて発信していきます。
一緒にarekore学んでいきましょう。

〜ハイラックスについて〜
※現在は別の車に乗り換えましたが、数年間の実体験をもとに記録しています。(元ある画像でやりくりしています。画像のない場面はイメージ図で表現しています。ご容赦下さい。)

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