車の屋根の雪は、走っていればそのうち落ちる。
問題は、落ちる先だ。前に落ちれば自分の目の前、後ろに落ちれば後ろの車の目の前。
この記事では、何が起きるか、どの順番で落とすか、決まりはどうなっているかを、JAF・NEXCO東日本・ハイラックスの取扱説明書・道路交通法と細則の原文から並べる。
あれコレさん朝、屋根の雪まで払うの、めんどくさいんだけど〜❓ 走ってたら勝手に落ちない?
アレルさん落ちる。ただ、落ちる先が問題なんだ。前に落ちれば自分の目の前、後ろに落ちれば後ろの車の目の前だ。
あれコレさんうわ、どっちも嫌なやつ…😱
アレルさん今日は、何が起きるか、どの順番で落とすか、決まりはどうなっているかを書くぞ。
清虎丸屋根の雪がオレの頭に落ちてきたら、オレも嫌だワン🐾
屋根の雪を載せたまま走ると、何が起きるか
起きることは2つある。
1. ブレーキで前に滑って、フロントガラスをふさぐ
JAFは雪道の注意として、「屋根に積もった雪はブレーキ時にフロントガラスへ雪崩を起こし視界不良となる危険性があるため、除雪してから運転する」としている。
福井県警察の冬道の注意も、「車の屋根の雪は走行中に雪が落ちてきて視界がふさがれることがあり、大変危険です」と書いている。
2. 塊で落ちて、後ろの車を襲う
NEXCO東日本は、「車の屋根に雪が積もったまま走行すると、雪が塊となって落下する場合があり、後続車に対して非常に危険です。走行前には必ず屋根の雪を落とすようお願いいたします」としている。
落とす順番=JAFの8段
JAFは、発進前の雪かきをこの順で出している(「雪道を走る前に準備しておきたいものとは?」)。
- 運転席側のドアと屋根の雪を払ってからドアを開け、エンジンをかけ、デフロスター・リア熱線をONに(ドアの上の屋根の雪を払わないと、開けた時に車内に雪が入る)
- 屋根の前の方の雪をざっと払う(走っている時に、フロントガラスに落ちてこないくらい)
- 前席の左右の窓の雪と霜を払う
- フロントガラスの雪と霜を払って、ワイパーを戻す
- リアガラスの雪と霜を払う
- 前輪のホイールハウスの雪を払う(ハンドルを切った時に、タイヤに当たらないくらい)
- 車の前の道の雪かきをする
- 乗り込んで、見えることを確かめて出発
上から下へ、が筋。ガラスを先にきれいにしても、あとで屋根を払えば、またガラスに落ちてくる。
エンジンをかける前に、マフラーを見る
JAFの1段目は「エンジンをかけ」だ。ここで1つ足したい。
ハイラックスの取扱説明書は、排気ガスの警告として「降雪時や雪が積もった場所では、エンジンをかけたままにしないでください。まわりに積もった雪で排気ガスが滞留して、車内に侵入するおそれがあります」と書いている(「駐車するとき」の警告=停めたままエンジンをかけ続ける時の話)。
福井県警察の冬道の注意も、車内で待つ時の話として「エンジンをかけていると、排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険性があるため、マフラーが雪でふさがらないようにしておきましょう」としている。
だから、エンジンをかける前に、
- マフラーの出口が雪に埋まっていないかを見て、埋まっていればそこを先に掘る
- 雪かきの間、車の中に人を残さない
アレルさんマフラーが埋まったままエンジンをかけて、車の中で待つ。これだけはやるな。
もう1か所。ハイラックスの取説は「フロントウインドウガラス前の外気取り入れ口に雪が積もっているときは、エアコンのファンを正常に作動させるために、雪を取り除いてください」としている。ボンネットとガラスの境目の雪も払う。
ほかに払う所(取説の言葉で)
ハイラックスの取説の「寒冷時の運転」には、「外装ランプ・車両の屋根・タイヤの周辺やブレーキ装置に雪や氷が付いているときは、取り除いてください」とある。
JAFの8段に入っていないのは、前後のランプ。ここも払ってから出る。
靴の裏の雪も落としてから乗る(取説・JAFとも同じことを書いている)。
道具=何で払うか
JAFは、ガラスの霜には「アイススクレーパー(霜取り用のヘラ)や解氷スプレー」を挙げている。
屋根やボンネットの雪については、メーカーの取説で「この道具で払う」と決めた文は見つからなかった。よく言われるのは、次のような話だ。
- スノーブラシ(柄の長い物)で押し出すように落とす
- 凍って張り付いた雪を、金属のスコップやヘラでボディの上から削らない
- 塗装に雪を薄く残して、削り取ろうとしない
取説で言えるのは2つ。
- ランプには硬いブラシを使わない(ハイラックスの取説「ランプの清掃」。取説のこの段は洗う時の注意で、雪を払う時に当てはめるのは、この記事の読み)
- 塗装に傷が付いた場合は早めに補修する(同じ頁の「塗装の劣化や車体・部品の腐食を防ぐために」)
=傷を付けない道具を選ぶ、がこの記事の読みだ。
背の高い車は、屋根の真ん中に届かない。タイヤや荷台によじ登るのは、凍っていて滑るので危ない。身長154cmでリフトアップ車に乗っていた話は、こちらに書いた。

背の高い車なら、屋根の奥まで届く長さのスノーブラシを1本。柄を伸ばせる物がある。
凍ったドアやワイパーについては、ハイラックスの取説は「無理に開けたり動かしたりせず、ぬるま湯をかけるなどして氷を解かし、すぐに水分を十分にふき取って」としている。熱いお湯は書いていない。
決まり=違反になるのか
道路交通法には、「屋根の雪を落として走れ」と名指しした条文は無い(e-Gov法令検索の全文で確かめた。道路交通法の本文に「雪」の字は出てこない)。
運転する人の守りごととして、都道府県の公安委員会が細則で足している(第71条第6号)。ここが県で違う。
長野県
長野県道路交通法施行細則の第14条第3号は、「自動車の車体及び積荷等の積雪が走行時に飛散し、又は落下することにより、交通に危険を及ぼし、又は及ぼすおそれのある状態で自動車を運転しないこと」としている。「車体の積雪」と書いてある=屋根の雪はここに入る。
これに反すると「公安委員会遵守事項違反」で、反則金は普通車・二輪車で6,000円(道路交通法施行令 別表第六)。
北海道
北海道の道路交通法施行細則(北海道公安委員会規則)の第12条(運転者の遵守事項)を原文で読んだ。滑り止め(スノータイヤかチェーン)・スパイクタイヤ・履物・後写鏡などはあるが、屋根の雪を名指しした号は無かった。
ただし、北海道の細則でも、第19条第2号で「みだりに交通の妨害となるように道路にどろ土、雪、ごみ、ガラス片その他これらに類する物をまき、又は捨てること」を、道路での禁止行為にしている。長野県の細則にも、第21条第6号に「交通の妨害となるような方法で、積雪をみだりに道路に捨てること」の禁止がある。
=払った雪を、車道へ投げない。自分の敷地の中に置く。
どこでも当たる1本
=北海道に名指しの号が無いのは、落とさなくていい、という意味ではない。
あれコレさん北海道に決まりが無いから平気、じゃないんだね…💦
アレルさんそういうことだ。決まりより先に、自分と後ろの車の目をふさぐことを考えろ。
冬の車の話は、ほかの記事にも
雪下ろしが終わっても雪だるま状態の朝と、エンジンスターターの話は、ハイラックスの実燃費の記事に書いた。

冬の塩カルと下回りのサビは、洗車の頻度の記事に書いた。

あれコレさん屋根から下へ、エンジンの前にマフラー、払った雪は道に投げない、だね〜
アレルさんそうだ。屋根の雪は、自分の目と後ろの車の目をふさぐ。走ったら落ちる、じゃなくて、走る前に落とすんだ。
清虎丸払うところ、オレは横で見張っててやるワン🐾
出典
- JAF「雪道を走る前に準備しておきたいものとは?」(クルマ何でも質問箱)
- JAF「雪道・アイスバーンでの運転の注意点」
- 福井県警察「冬道の運転の注意」(PDF)
- 東日本高速道路(NEXCO東日本)定例記者会見資料「冬道ドライブのポイント」(平成30年1月17日・PDF)
- トヨタ「ハイラックス 取扱説明書」(2019年6月版・PDF)P.42 排気ガスに対する注意/P.247 寒冷時の運転/P.286 お手入れのしかた
- e-Gov法令検索「道路交通法」第70条・第71条第6号
- e-Gov法令検索「道路交通法施行令」別表第六
- 長野県法規集「長野県道路交通法施行細則」第14条第3号・第21条第6号
- 北海道公安委員会規則「道路交通法施行細則」第12条・第19条第2号(北海道警察の公開PDF)