冬になると、ハイブリッド車の燃費は落ちる。
壊れたのではない。冬のハイブリッド車は、わざとエンジンを止めないからだ。
取扱説明書に書いてある理由と、暖機運転は要るのか、冬にできることをまとめた。
あれコレさん寒くなってから、燃費の数字が落ちてきた〜。ハイブリッドなのに、信号でもエンジン止まらないし❓
アレルさんそれは壊れてるんじゃない。冬のハイブリッド車は、わざとエンジンを止めないんだ。
あれコレさんわざと❓
アレルさん取扱説明書に書いてある。今日はその理由と、暖機運転は要るのか、の話をする。
清虎丸オレは暖機なんかしなくても、朝から全開だワン🐾
冬にエンジンが止まらない理由
トヨタのアクア(ハイブリッド車)の取扱説明書には、冬についてこう書いてある。
- 冬は、エンジンと車の中が暖まるまで、エンジンが自動で止まらない。だから燃料を使う
- 暖房をかけすぎないと、燃費がよくなる
ハイブリッド車の良さは「止まっている時や、ゆっくり走る時にエンジンを止められる」所。冬はそれが効きにくくなる。夏より燃費が落ちる大きな理由の1つが、これだ。
同じ説明書は「過剰な暖房を避ける」と書いている。我慢しろ、という話ではない。寒い車内で運転するのは危ない。かけすぎない、くらいでいい。(トヨタのプラグインハイブリッド車の説明書には、ハンドルや座席のヒーターを使うのも効果的、とある。付いている車なら)
暖機運転は要るか
答えは、取扱説明書では「要らない」。
アクアの説明書には、エンジンが冷えている時は、エンジンをかけたり止めたりを車が自動でやるので、暖機運転は必要ない、とある。
止まったままエンジンをかけておくと、10分で130ccくらいの燃料を使う(エアコンを切った場合・同じページ。車の種類を分けない目安)。
走り出しは、急がない。アクアの説明書の「寒冷時の運転」にも、ゆっくりスタートし、車間距離を十分にとって控えめな速度で走るように、とある。
ハイブリッド車ならではの但し書きもある。同じ説明書には、およそ−30℃以下で走るための電池が冷え切っていると、ハイブリッドシステムが始動できないことがある、気温が上がるのを待つように、とも書いてある。
ただし、窓の雪と氷は別
暖機運転が要らない、というのはエンジンの話だ。
雪国の朝は、窓やミラーが凍っていたり、車に雪が積もっていたりする。これを落とすまでは走れない。アクアの説明書も、ランプ・ミラー・窓ガラス・屋根・タイヤの周りやブレーキに付いた雪や氷は取り除くように、と書いている。前が見えない車で走り出すのは、燃費より先に危ない。
その間エンジンがかかっているのは、暖機のためではなく、見えるようにするための時間。燃費の勘定に入れなくていい(私の見立て)。
ただし、かける前にマフラー(排気の出口)の周りの雪をどける。埋まったままだと、排気ガスが車内に入る。一酸化炭素は、においも色も無い。アクアの説明書も、停めておく時の注意として、雪が降っている時や雪が積もった所ではハイブリッドシステムを作動させたままにしないように、と書いている(まわりの雪で排気ガスがたまり、車内に入るおそれがあるため)。JAFのテストでは、マフラーが雪に埋まった車は、16分で車内の一酸化炭素が危ない濃度に届いた。
雪下ろしの間、車の中に人を残して待たせない。エンジンスターターで先にかける時も、マフラーの周りが先(私の見立て)。
アレルさん今のうちの車は、暖機はしない。かけてすぐ走る。かける前に足でマフラーのまわりの雪を崩しておいて、雪下ろしと窓の氷取りの間にかかっている分で、結果として温まってる。
ディーゼルの車で、冬の朝にエンジンスターターと雪下ろしでどれくらい燃費が落ちたかは、ハイラックスの記事に書いた(冬の底で8.5km/L)。

短い距離のくり返しが、効いてくる
アクアの説明書には、もう1つ大事なことが書いてある。短い距離の走行をくり返すと、暖機のためにエンジンがかかる回数が増えて、燃費が悪くなる。
冬に燃費が落ちる人は、近所の用事を、1回ずつ車を冷ましながら回っていないか。用事をまとめて1回で回ると、暖まった状態のまま走れる(まとめるのは私の提案。説明書に書いてあるのは「短距離のくり返しは燃費が悪化」まで)。
冬タイヤと、空気圧
アクアの説明書は、タイヤについても書いている。
- 冬用タイヤは転がる時の抵抗が大きく、乾いた路面では燃費が悪くなる
- 空気圧が合っていないと、燃費が悪くなる。こまめに点検を
空気圧は、冷えると下がる。日本自動車タイヤ協会(JATMA)の資料(2020年)で、当時の日本自動車ジャーナリスト協会の会長が、気温が低いと空気圧も下がる、と話している。夏に合わせたままの空気圧は、冬には足りなくなっていることがある(私の見立て)。
足りないと、どれくらい落ちるか。
- 環境省のページ=適正より50kPa足りないと、市街地で2%、郊外で4%くらい燃費が悪くなる
- JAFのテスト=空気圧をわざと30%・60%減らして比べた。30%減の車は、年に15,000km走り、適正な時の燃費が13km/Lと仮定すると、56L余計に燃料を使う計算になった(2021年のテスト。冷えるだけで30%減るという話ではない)
測る時は、走る前のタイヤが冷えている時に(JATMAの資料も同じことを書いている)。合わせる数字は、運転席のドアの所に貼ってあることが多い(車で場所が違うので取説で見る)。履き替えた日に1回(私の見立て)、その後は月に1回が目安(JAFは「月に一度は空気圧のチェックを」)。
空気圧は、エアゲージが1本あれば、冷えた朝に家の前で測れる。入れるのはスタンドで。
ジャッキの位置と空気圧の考え方は、タイヤ交換の記事に図でまとめた。

冬の燃費のために、できること
- 暖機運転はしない(説明書と環境省=要らない。ただし−20℃くらいの極寒冷地は別。窓の雪と氷、マフラーの周りの雪は落としてから)
- 暖房はかけすぎない(付いていれば座席やハンドルのヒーターも使う。窓が曇ったら、曇り取りは燃費より先=私の見立て)
- 近所の用事は、まとめて1回で回る
- 冬タイヤに替えたら、冷えた時に空気圧を測って合わせる
- 要らない荷物を積みっぱなしにしない(説明書=重い荷物は燃費が悪化。冬の装備のスコップ等は別)
これは私のまとめ=トヨタの説明書・環境省・JAF・JATMAを並べた物。車種によって、仕組みやボタンの名前は違う。自分の車の取扱説明書の「運転のアドバイス」や「経済的な運転」の所を、一度見てほしい。
あれコレさん暖機はいらない、暖房はかけすぎない、空気圧は冷えた時に測る、だね〜
アレルさんそう。それと近所の用事はまとめて回る。冬のハイブリッドは、冷えたままちょこちょこ走ると、燃料を食うんだ。それと、雪の朝はマフラーの周りが先だ。
清虎丸燃費が良くなったら、そのぶんオレのおやつを増やせワン🐾
出典
- トヨタ アクア 取扱説明書(Web版)「ハイブリッド車運転のアドバイス」「排気ガスに対する注意」「寒冷時の運転」
- JAFユーザーテスト 「クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意」(2015年2月)
- トヨタ よくある質問の添付 プラグインハイブリッド車 取扱説明書の抜粋(PDF)
- 環境省「エコドライブ10のすすめ」
- JAF Mate「ガソリン価格高騰の中、まずタイヤの空気圧をチェックすべき理由とは?」(2026年3月19日)
- 日本自動車タイヤ協会 タイヤの空気圧点検の重要性(PDF)