冬の軽油は凍る|「特3号は−30℃まで平気」は誤解。ハイラックスの取説は−19℃

特3号の目安は−19℃(「−30℃まで平気」は誤解)

ディーゼル車の燃料、軽油は、寒さで固まる。
よく見る「特3号は−30℃まで平気」は、車が困り始める温度の数字ではない。
ハイラックスの取扱説明書が目安にしているのは−19℃だ。この記事では、軽油の号数の読み方と、冬の給油の仕方を書く。

あれコレさん

ガソリンは凍らないって聞いたけど、軽油は凍るの〜❓

アレルさん

凍る。正確には「シャーベットみたいになって、燃料のフィルターが詰まる」だ。ディーゼル車に乗るなら知っておきたい話だぞ。

あれコレさん

北海道の軽油なら、大丈夫なんじゃないの?🤔

アレルさん

地元で入れていれば、ほとんどは大丈夫だ。危ないのは「よそで入れた軽油」と「数字の読み違い」だ。

清虎丸

オレは−30℃でも平気だワン。…たぶんワン🐾

目次

軽油はなぜ凍るのか

軽油には、ろうのような成分(パラフィン分)が入っている。温度が下がるとこれが固まって出てきて、燃料フィルターを詰まらせる(ENEOS 石油便覧)。

JAFは、寒冷地以外で売られている軽油(特1号〜2号)は−5℃くらいで凍り始め、燃料系統が詰まると、エンジンの不調やかからない原因になる、としている。

軽油には5つの種類がある

JISでは、軽油は特1号・1号・2号・3号・特3号の5つに分かれている。この並びの順に寒さに強くなる(特1号がいちばん弱く、特3号がいちばん強い)。

ENEOSの石油便覧によると、夏は1号か特1号、冬は2号(寒冷地は3号・特3号)と、季節で使い分けるようになっている。

石油連盟も、「地域や季節により低温時の流動性能の異なる軽油が販売されています」としている。=北海道の冬のスタンドでは、その時期に合う軽油が出てくる。

「特3号は−30℃まで平気」は信じない

よく見る「特3号は−30℃」は、流動点(軽油全体が流れなくなる温度)の数字だ。

でも、車が困るのはそれより前。フィルターが詰まり始める温度=目詰まり点がある(出光 北海道製油所・ENEOS 石油便覧)。JIS K 2204の値は次のとおり。

  • 3号 流動点 −20℃以下/目詰まり点 −12℃以下
  • 特3号 流動点 −30℃以下/目詰まり点 −19℃以下

ハイラックスの取扱説明書は、使用限界温度の目安をこう書いている(環境や使用状況により異なる)。

  • JIS 2号軽油 −5℃
  • JIS 3号軽油 −12℃
  • JIS 特3号軽油 −19℃

=取説の数字は、流動点ではなく、目詰まり点のほうと同じだ。「−30℃まで大丈夫」と読むと、−20℃の朝に困ることがある。

真冬は地元の軽油をこまめに入れて、秋に入れた分を残したまま最初の寒波を迎えない(ここは、この記事の読み)。

出光の北海道製油所は、「JIS規格よりもさらにきめ細かい規格を設定し、季節や地域特性に適応した軽油を製造・出荷しています」としている。北海道向けの冬の軽油は、季節と地域に合わせて作り分けられている。ただ、どこまでの寒さに耐えるかの数字は公開されていないので、目安は取説の−19℃のままにしておく。

あれコレさん

数字の大きい方を見て、安心しちゃダメなんだね💦

アレルさん

そうだ。見るのは流動点じゃない。目詰まり点だ。

危ないのは「よそで入れた軽油」

石油連盟は、寒い時期に暖かい地域から寒冷地に移った時、現地で売っている軽油を入れないと、エンジンが止まるなどのトラブルが起きることがある、としている。

ハイラックスの取扱説明書も同じで、寒冷地へ行く時は「現地に着くまでに燃料残量を半分以下にしておき、現地に着いたら寒冷地用燃料を補給してください」としている。

JAFも、目的地に着くくらいの燃料を計算して、現地に着いたら凍結温度の低い燃料をできるだけ多く入れる、としている。

北海道の人が気をつける場面は、たとえば2つある。

  • 本州へ車で行って、向こうで満タンにして戻ってくる(フェリーで帰ってくる時など)
  • 本州から来たディーゼル車(家族・友人・レンタカー)

どちらも、北海道に着く時に残りが取説どおり半分以下になるよう、向こうでの最後の給油を控えめにして、着いたらこっちのスタンドで入れるが答えになる。減らしすぎてガス欠を攻める必要は無い。

やってはいけないこと

1. 灯油を混ぜる

昔は「軽油に灯油を混ぜると凍りにくい」と言われた。でも、ハイラックスの取扱説明書は、指定以外の燃料(灯油など)を使わないように書いている。エンジンのかかりが悪くなる、排出ガスの浄化装置が正しく働かなくなる、などのおそれがある。

さらに北海道庁は、知事の承認を受けないで軽油に灯油や重油などを混ぜることを「不正軽油」として、罰則の対象にしている(製造は10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金など)。

2. 自分であぶって解かそうとする

JAFは、凍った時は点検が要る状態なので救援を頼む(整備工場など暖かい場所に移して解かす方法もある)、としている。火であぶるのは論外だ。

3. 解けた後、同じ軽油のまま、また寒い所に停める

JAFは、引き続き寒冷地に停めるなら、寒冷地用の軽油を入れる必要がある、としている。

冬の車の話は、ほかの記事にも

雪道で燃費がどう変わるかは、ハイラックスの実燃費の記事に書いた。

冬の塩カルと下回りのサビは、洗車の頻度の記事に。

バッテリーが上がった時の備えは、車載で6年使ったジャンプスターターの記事に。

うちの車に2020年11月から積んでいるのはこれ。バッテリー上がりの備えで、軽油が詰まった時に直す道具ではない。

うちの車に積んで、2020年11月から使っている物。自分の車につないでいいかは、先に取扱説明書で見る。
あれコレさん

特3号がいちばん強い、でも−30℃は信じすぎない、だね〜

アレルさん

そうだ。取説の−19℃が目安。地元のスタンドで入れて、よそから来る時は、着く時に残りが半分以下になるようにして、着いたら入れる。それだけで、冬の朝にかからない心配はぐっと減る。

清虎丸

オレの『−30℃でも平気』も、信じすぎるなワン🐾

出典

記事にしなかった作業の途中や、次に何を直しているかは、こちらで出しています。

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この記事を書いた人

ブログを通じて情報を発信し、少しでも参考になったり良かったな、と思える方が増えればいいな、と考えています。
まやかしや一時凌ぎを続けることから離れて、実体験を通じて発信していきます。
一緒にarekore学んでいきましょう。

〜ハイラックスについて〜
※現在は別の車に乗り換えましたが、数年間の実体験をもとに記録しています。(元ある画像でやりくりしています。画像のない場面はイメージ図で表現しています。ご容赦下さい。)

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